第58弾「カヤネズミのお昼寝」


 梅雨の晴れ間の7月2日、てんたの会で毎年行っているカヤネズミ調査(モニ1000里地調査)での出来事です。8人で調査したにもかかわらず発見した巣はたった1ケ。でもススキの株の中で動きまわるカヤネズミを発見、皆で見ることができました。小さな谷戸の一角でかろうじて生命の糸をつないでいる天覧入りのカヤネズミは、昼間でも良く目にすることができます。狭いススキ原には人が立ち入ることが多く、人馴れしていることと逃げ場がないことが幸い(カヤネズミにとっては災い)していると思われます。

 調査が終わって皆が帰った後、捕虫網を持ったグループがやってきてカヤネズミがいるススキの株に近づいてきました。私は彼らの接近を阻止すべく株の前に立ちはだかりました。カヤネズミはまだススキの葉の中を動き回っています。じっと立ちながらカヤネズミの行動を見守ることにしました。しばらくすると2枚のススキの葉が重なった上で横になったカヤネズミは動かなくなりました。どうやらお昼寝を始めたようです。

 カメラの望遠レンズを通して私はカヤネズミの寝姿を撮影します。捕虫網グループは私に遠慮して株に近づいてきません。じりじりと照り付ける太陽の下、気が付いたら2時間近く立ち尽くしていました。ようやく目を覚ましたカヤネズミは体を震わせ毛づくろいをした後、青いカヤの葉の中に消えていきました。

対馬 良一(つしま・りょういち/埼玉県在住)