カヤネズミってどんなネズミ?


 カヤネズミ(学名:Micromys minutus)は、頭胴長(鼻先から尾の付け根まで)約6cm、尾長(尾の長さ)約7cm、体重7~8グラムの日本で一番小さなネズミです。背中はオレンジ色、腹部は真っ白でとても愛らしい姿をしています。
 主に休耕田や河川敷、草原に生息し、そこに生えているススキ、オギ、チガヤなどイネ科の葉を利用して、直径10cmくらいの球形の巣を作ります。巣に使われる葉は生きており、周りの植物と同じ色をしているため、上手にカモフラージュされています。彼らはこの巣で出産・子育てをし、また休息場所として利用しています。

カヤネズミオギに作られたカヤネズミの巣

 しかし最近、河川の工事や、新しい道路・ゴルフ場の建設などでカヤネズミの生息地がどんどん奪われています。田畑のあぜ道や休耕田に生えているススキの群生も、カヤネズミの大切な生息地ですが、農家の方が刈り取ってしまうため、住みかを失いつつあります。都市部に近い郊外では、姿はおろか、巣を見つけるのさえ難しい状況です。私は1998年からカヤネズミの生態を研究していますが、彼らを取り巻く環境は確実に悪化していると感じています。 
 カヤネズミは、ドブネズミのように人家に侵入して悪さをしたり、ハタネズミのように畑にトンネルを掘って作物に被害を与えたりはしません。彼らはオヒシバやエノコログサ、バッタやイナゴを食べて暮らす、おとなしい生き物なのです。
 こんなに小さくてかわいらしく、無力な生き物が、私たち人間の活動によって住みかを奪われて消えていくことは、とても悲しいことだと思います。もしカヤネズミの姿を見かけたり、巣を見つけたときは、どうかさわったりせずに、そっとしておいてやって下さい。

全国カヤネズミ・ネットワーク 代表 畠 佐代子